イプーに転生してしまった… 第5話(最終話)
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お店の人に気が済むまでイプーイプー言って、トヨ○のディーラーを出た、その時。
俺(イプー)に向かって、制御を失った車が突っ込んできた。
車種は、パジェロだった。
「イプーーーーーーー!!!!!」(そこはイプサムじゃないんかーーーーーーーい!!!!!)
強い衝撃を受け、転がるイプーの身体。薄れていく意識。
頭の中をパジェロコールと共に、東京フレンドパークのアトラクションが走馬灯のように駆け巡った。
ポンプを押して恐竜が吐く光を踏んで止めるやつ。シーソーみたいなのを動かしてボールを運ぶやつ。走ってクイズに答えるやつ。強敵ホ○ジャマカとのホッケー。そしてパジェロを賭けたダーツ……。
「イプー……」(こんな走馬灯になるなら、イプサムとは言わないまでも、パジェロ以外の車に轢かれたかった……)
俺(イプー)は意識を手放した。
「イプーーーーーーー!!!!!」
俺は自分の変な寝言で目を覚ます。かなり変な夢を見ていた気がする……。
「お、おはイプー……」
毎日そうしているように、枕元のイプーのぬいぐるみに声をかけ、撫でる。
「いてっ!?」
しかし、イプーのぬいぐるみだと思って撫でたそれは――たわしだった。
イプーに転生してしまった… おわり