アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 12話「不適合者」 補足説明・解説
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アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 11話「その宿命を断ちきるために」 補足説明・解説
ゼーンラゼラゼラ、ゼーラゼラ♪
なんかデルゾゲードが浮かび上がっていったけど!
2期の解説でも何度か登場しましたが……
1話の神の授業で説明があった通り(今回の話で、ノウスガリアも言っていますが)、魔王城デルゾゲードは、かつて破壊神アベルニユーをアノスが堕としたときに姿を変えたものであり、同時にその破壊の秩序を、理滅剣ヴェヌズドノアに置き換えました。
アヴォス・ディルヘヴィアの膨大な魔力は、魔王と戦うためでなく、破壊神を目覚めさせるためにノウスガリアが用意したものだったのです。「二人の暴虐の魔王を滅ぼすがいい」と言っていることからもわかります。
そして、神話の時代、あらゆる死と破壊をもたらした破壊神の奇跡、<破滅の太陽>サージエルドナーヴェが蘇り、ディルへイド中が、全てを滅ぼす滅びの光に包まれます。しかしそれでも、アノスはおろか、他のディルヘイドの人たちも、みんな無傷でした。
なんかノウスガリアが虫になったけど!
単にノウスガリアを滅ぼしただけでは、世界の秩序が歪んでしまうので、アノスは<秩序簒奪>の魔法を使って、ノウスガリアの秩序の部分だけを切り離し(現在進行形でノウスガリアに身体を乗っ取られている)熾死王エールドメードに与え、ノウスガリア本体は虫に転生させました(根源が2つ現れている演出になっているのは、身体を乗っ取られていたエールドメードと、ノウスガリアに分かれたからです。片方はエールドメードに、片方は虫になっています)。
この魔法はかねてよりエールドメードが画策していたものであり(2期の過去編からちょいちょい熾死王が何か企んでいる描写が挟まっていたのはこれ)、エールドメードは<秩序簒奪>の魔法を完成させることはできませんでしたが、途中まで作っておけばアノスならば完成させてくれると信じていました*1。
アノスは、アノスに逆らわないことを条件に魔法を完成させるという<契約>をエールドメードと交わし魔法を完成させ、世界を傷つけること無くノウスガリアを滅ぼしました。
なんかみんな助かってるけど!
アノスがイガレス(8話で助けた人間の子)に伝えるために、その根源に刻んだ使命は、暴虐の魔王の伝承の続きを人々に広め、言い伝えることでした。
アノスは、どうすればアヴォス・ディルヘヴィアを救えるかをずっと考えていました。過去に行った時、レノに対して、一度生まれた精霊を名前が同じだけの精霊にできるか?と訊ねたのもそうです。
ミサとアヴォス・ディルヘヴィアを切り離すことはできない。名前が同じだけの別の精霊にすることもできない。かと言ってアヴォス・ディルヘヴィアの噂と伝承をなかったことにしてしまえば、アヴォス・ディルヘヴィア自体が生まれなかったことになる。
そこで精霊が"噂と伝承"によって形作られていることを逆手に取って、伝承の続きを作りました。アヴォス・ディルヘヴィアは霊神人剣エヴァンスマナによって滅ぼされ、精霊ミサとして転生する、というものです。
ここからは解説不要と思いますが、ミサは噂と伝承通りに精霊に転生し、それによってレノも”あまねく精霊だけの母”という自らの噂と伝承に背いていないことになり、復活しました。
なんかヤバい歌始まったけど!
魔王賛美歌第五番『平和』です。元々はアノス様応援歌合唱曲でしたが、公共の場では格好がつかないということで改名されました。
ゼーンラゼラゼラというのは、古代魔法語で、『心をかさね、一つになろう』という平和を象徴する意味だそうです。決して変な意味ではありません。
突然の転調。アノス様が歌っているように見える描写。変な歌詞。全部原作通りです。そうとしか解説のしようがありません……いつもできるだけ原作に忠実に作ろうとしてくださる制作陣の皆様、ありがとうございます
破壊神の<破滅の太陽>サージエルドナーヴェは、確かに顕現しましたが、アノス曰く、アノスには破壊神が自分たちを傷つけることはないという確信があり、それを裏付けるように深淵を魔眼で覗いたところ、アノスたちを敵とは見做しておらず、アノスも、魔族の街ディルへイドも、滅ぼすことはありませんでした。
しかし、これはアノスも予想外のことでしたが、なぜそういった確信があったかまでは、アノス自身覚えていませんでした。アノスが<転生>の魔法を失敗するとは考えにくいです。それでは、なぜ転生が完全ではなかったのか? 謎を1つ残したまま、4章は大団円に終わりました。
最後の場面でアノスが対峙していたのは、創造神ミリティア。
魔王学院2期は、2クール目に続きます。
*1:奇しくも、1期でサーシャがミーシャを救うために<主格交代>の魔法で同じようなことをしていましたね。