アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 12話「不適合者」 補足説明・解説

前回解説↓

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 11話「その宿命を断ちきるために」 補足説明・解説

 

 

 

ゼーンラゼラゼラ、ゼーラゼラ♪

 

 

 

なんかデルゾゲードが浮かび上がっていったけど!

2期の解説でも何度か登場しましたが……

1話の神の授業で説明があった通り(今回の話で、ノウスガリアも言っていますが)、魔王城デルゾゲードは、かつて破壊神アベルニユーをアノスが堕としたときに姿を変えたものであり、同時にその破壊の秩序を、理滅剣ヴェヌズドノアに置き換えました。

アヴォス・ディルヘヴィアの膨大な魔力は、魔王と戦うためでなく、破壊神を目覚めさせるためにノウスガリアが用意したものだったのです。「二人の暴虐の魔王を滅ぼすがいい」と言っていることからもわかります。

そして、神話の時代、あらゆる死と破壊をもたらした破壊神の奇跡、<破滅の太陽>サージエルドナーヴェが蘇り、ディルへイド中が、全てを滅ぼす滅びの光に包まれます。しかしそれでも、アノスはおろか、他のディルヘイドの人たちも、みんな無傷でした。

 

 

 

なんかノウスガリアが虫になったけど!

単にノウスガリアを滅ぼしただけでは、世界の秩序が歪んでしまうので、アノスは秩序簒奪ジ・シェンズの魔法を使って、ノウスガリアの秩序の部分だけを切り離し(現在進行形でノウスガリアに身体を乗っ取られている)熾死王エールドメードに与え、ノウスガリア本体は虫に転生させました(根源が2つ現れている演出になっているのは、身体を乗っ取られていたエールドメードと、ノウスガリアに分かれたからです。片方はエールドメードに、片方は虫になっています)。

この魔法はかねてよりエールドメードが画策していたものであり(2期の過去編からちょいちょい熾死王が何か企んでいる描写が挟まっていたのはこれ)、エールドメードは秩序簒奪ジ・シェンズの魔法を完成させることはできませんでしたが、途中まで作っておけばアノスならば完成させてくれると信じていました*1

アノスは、アノスに逆らわないことを条件に魔法を完成させるという契約ゼクトをエールドメードと交わし魔法を完成させ、世界を傷つけること無くノウスガリアを滅ぼしました。

 

 

 

なんかみんな助かってるけど!

アノスがイガレス(8話で助けた人間の子)に伝えるために、その根源に刻んだ使命は、暴虐の魔王の伝承の続きを人々に広め、言い伝えることでした。

アノスは、どうすればアヴォス・ディルヘヴィアを救えるかをずっと考えていました。過去に行った時、レノに対して、一度生まれた精霊を名前が同じだけの精霊にできるか?と訊ねたのもそうです。

ミサとアヴォス・ディルヘヴィアを切り離すことはできない。名前が同じだけの別の精霊にすることもできない。かと言ってアヴォス・ディルヘヴィアの噂と伝承をなかったことにしてしまえば、アヴォス・ディルヘヴィア自体が生まれなかったことになる。

そこで精霊が"噂と伝承"によって形作られていることを逆手に取って、伝承の続きを作りました。アヴォス・ディルヘヴィアは霊神人剣エヴァンスマナによって滅ぼされ、精霊ミサとして転生する、というものです。

ここからは解説不要と思いますが、ミサは噂と伝承通りに精霊に転生し、それによってレノも”あまねく精霊だけの母”という自らの噂と伝承に背いていないことになり、復活しました。

 

 

 

なんかヤバい歌始まったけど!

魔王賛美歌第五番『平和』です。元々はアノス様応援歌合唱曲でしたが、公共の場では格好がつかないということで改名されました。

ゼーンラゼラゼラというのは、古代魔法語で、『心をかさね、一つになろう』という平和を象徴する意味だそうです。決して変な意味ではありません。

突然の転調。アノス様が歌っているように見える描写。変な歌詞。全部原作通りです。そうとしか解説のしようがありません……いつもできるだけ原作に忠実に作ろうとしてくださる制作陣の皆様、ありがとうございます

 

 

 

破壊神の<破滅の太陽>サージエルドナーヴェは、確かに顕現しましたが、アノス曰く、アノスには破壊神が自分たちを傷つけることはないという確信があり、それを裏付けるように深淵を魔眼で覗いたところ、アノスたちを敵とは見做しておらず、アノスも、魔族の街ディルへイドも、滅ぼすことはありませんでした。

しかし、これはアノスも予想外のことでしたが、なぜそういった確信があったかまでは、アノス自身覚えていませんでした。アノスが<転生>の魔法を失敗するとは考えにくいです。それでは、なぜ転生が完全ではなかったのか? 謎を1つ残したまま、4章は大団円に終わりました。

最後の場面でアノスが対峙していたのは、創造神ミリティア

魔王学院2期は、2クール目に続きます。

 

 

 

 

 

*1:奇しくも、1期でサーシャがミーシャを救うために主格交代デルトの魔法で同じようなことをしていましたね。

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 11話「その宿命を断ちきるために」 補足説明・解説

前回解説↓

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 10話「憎しみは過去に」 補足説明・解説

 

 

 

どうしてもアニメでは表現できる範囲に限界があるのですが、説明がつくことのほうが多いはずです。

やらなければならないことは、大きく2つあって、

・1つは、この世の秩序を滅ぼさずに、ノウスガリアを滅ぼすこと

・1つは、ミサを滅ぼさずに、アヴォス・ディルヘヴィアを滅ぼすこと

です。

 

 

 

彼女の想いとともに……レイvsアヴォス・ディルヘヴィア

魔法がたくさん出てくるのですが……

まずアヴォスが使った闇の手のような魔法は根源死殺ベブズドという、根源に干渉するためのもので、これは1期の勇者学院編で出てきていますよね。魔王学院における戦闘では、基本的に命ではなく根源を奪い合う必要があるので、今後も割と頻出の魔法です。

それから魔呪壊死滅デグズゼグドですが、これはこの前(?*1)アノスがリーベストくんに使った(6話参照)もので、蛇の痣が体を食らわんとする魔法です。

その次の愛魔法聖愛剣爆裂テオ・トレアロスは、レイが最初に精霊王と対面したときに初めて使った魔法(4話参照)で、まあ簡単に言えば愛を力にする剣技です。

でノウスガリアがアヴォス・ディルヘヴィアに加担しているのは、アヴォス・ディルヘヴィアが魔王を滅ぼす神の子だからです。

レイの根源が最初から減っているのは、半分分けてノウスガリアの居た式典の間に送ったからです(前回解説参照)。

 

 

 

蘇りし愛……シンvs天父神ノウスガリ

まずノウスガリアが神の性質について語っています。神を滅ぼすには、まず破壊神の力が必要であると言っています。1話の神の授業でも説明があった通り、魔王城デルゾゲードは、破壊神アベルニユーが姿を変えたものですから、神を滅ぼすにはその力、即ち理滅剣が必要だと言っているんですね。そしてその理滅剣も、今アヴォス・ディルヘヴィアが所有権の大半を書き換えているところですから、この状況じゃ私は滅ぼせないよと、そう言っているんですね。

最初にシンが取り出した魔剣は、斬神剣グネオドロス。1話の回想部分で、ノウスガリアを斬っていた剣と同じです。これでシンはノウスガリアを貫きますが、神の言葉は、絶対なので、白銀の炎がシンを焼きます。これは、”罪を悔い改めるための慈愛の火であり、一秒ごとに苦痛は増し、一分をもってその断罪を終える”そうです(原作のアノス曰く、「呪いの完了まで一分かかるのを断罪とは、なかなかどうして、うまい言い訳を用意したものだ」)。

シンの懐から落ちたのは、かつてレノがお守りとしてくれた本の妖精リーランの愛の妖精フランのページ(ややこしい)。リィナ(=愛の妖精フラン)は、「報われなかった愛を形にし、結び助ける精霊」でしたね(3話参照)。フランは、愛を伝えるためのほんの僅かな間だけ、死者に身体を貸してくれます。その力で大精霊レノと、大戦の樹木ミゲロノフに、刹那の時間、仮初の命を与えてくれました。

ティティ、リニヨン、ギガデアス、ジェンヌルらの説明はもういいですかね。一応、かくれんぼ(7話参照)などで登場しています。

 

 

 

斬り裂かれた言葉

大戦の樹木ミゲロノフは、その噂と伝承通り、最後に大精霊レノに戦いを生き抜く知恵を与えてくれました。それがレノが使っていた精霊達ノ軍勢アルハ・アルフレという魔法。精霊たちの力を、シンの元に集めます。それが助けになって、最終的には斬神剣の秘奥が参・無間むげんによってノウスガリアの根源は無限にバラバラになった挙句、宝剣エイルアロウ4話で、シンがレイを宝石に封じ込めたときに使った剣)で水晶に封印されました。*2

なんでこういった手段を取るかというと、神は秩序なので天父神といえど滅ぼすと世界が歪むからです。アノスが世界の破壊を止めるべく破壊神アベルニユーを堕とした時も、根源を滅ぼすのではなく魔王城デルゾゲードに形を変えていますよね。

 

 今も昔も――

 放たれた神の言葉を、確かにシンは斬り裂いていた。

 

 

 

その宿命を断ちきるために

レイの勇者の剣・霊神人剣エヴァンスマナは精霊・神・人間がそれぞれ関わってできた魔王を滅ぼす剣ですので、天父神が出てきて神の言葉によりその本来の効力を失っています。しかし、

”その過去は消えてしまったけれど――”

レイは、過去のシンから教わった”剣の秘奥”をここで発動します。剣の秘奥は、無の境地に至り、剣と一体になることで初めて発動することができます(8話参照)。レイは根源も魔力量も多く、魔力を無にすることが難しかったので、敢えて根源を滅ぼし、1つにして秘奥を発動しやすくするのが狙いでした。

霊神人剣の秘奥が壱・天牙破断てんがはだんによって、レイはミサを取り返すことに成功します。「噂と伝承通り、魔王は滅びる。君の負けだ、アヴォス・ディルヘヴィア」

ミサ、アヴォスの身体にはノイズが入るような演出になっていましたが。それぞれ半分の根源になっており、最早長くは持たない……

はずでしたが、アヴォスは土壇場で理滅剣ヴェヌズドノアを掌握します*3。これによってアヴォス・ディルヘヴィアが滅ぶという理も滅ぼされ、彼女の手にヴェヌズドノアがある限りは、彼女は滅びることはなくなりました*4

 

 

 

 

 

贋物の魔王構文しかなかったから物足りないって?

贋物の魔王構文が出たからと言って、本物が出るとお思いでしたの?

いいから黙って次回を待て!

 

 

 

*1:6話がだいぶ昔に感じる……

*2:神の言葉は絶対……でもなかったみたいですね……。(この回の作者コメント)

*3:これに時間がかかったのは、理滅剣ヴェヌズドノアを見たもの(=使われたもの)は、全て滅びたため、魔王の噂と伝承に無かったからです(というのも以前説明しましたが、一応)

*4:原作では「半分だけの根源になったとて、この身が滅ぶとお思いですの?」とまで言っている

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 10話「憎しみは過去に」 補足説明・解説

前回解説 

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 9話「二千年後に祈りを込めて」 補足説明・解説

 

 

 

今回は原作の話ごとのタイトルを見出しに織り交ぜてみました。

 

 

 

なんで<幻影擬態ライネル>を使って透明になってたんだっけ?

5話解説も参照)

アヴォス・ディルヘヴィアの<闇域デメラ>の魔法がディルへイド(魔族の国)を覆い、皇族を中心に魔族が凶暴化しているので、戦闘になるのを避けるために地下から城に侵入しようとしているところです。アノス達なら戦って勝つことも容易でしょうが、ここで敵側に回っているいる人も、操られているだけで同胞の魔族ですし……

 

 

 

『処刑』

最初に処刑されそうになった女生徒に代わって、処刑されるために名乗り出たアラミス・エルティモ。かつての名を、イガレス・イジェイシカ。2つ前の話なので当然皆さんも覚えていたことと思いますが、アノスが助け、転生させた2000年前の勇者の血族です。

一方処刑しようとしていた側のニヒドもまた、2000年前イガレスを処刑しようとしていた魔族、デビドラが転生した魔族でした。

4話解説でも書いた通り、アノスを魔王だと信じて疑わない人ほど<闇域>による洗脳の影響を受けにくいです)

七魔皇老は2000年前の魔族たちの連携もあって、最終的にはミーシャに氷の猫に創り変えられました。シュール

 

七魔皇老弱すぎない?って思われるかもしれませんが。

魔法の時代(=現世のこと)の魔族よりは、強いので登場時は強い人っぽく出てきましたが……。もともと七魔皇老はアノスが2000年間ディルヘイドを統治させるためだけに魔力を分け与えただけのようなもので、特段戦闘力に長けているわけではありません(この説明も過去にしたような気もしますが……あまりに七魔皇老がやられることが多いので)

またミーシャは創造の力に長けており、氷の城デルゾゲードは擬似的な神の力と言えます*1から、行使できれば七魔皇老なんか相手じゃない強力な力なんですね。

 

 

 

『すべてを掌握するもの』……城内の駆け引きについて

レイが持つ霊神人剣エヴァンスマナ(1期の終盤参照)は、魔王を滅ぼすために作られた剣ですから、アヴォス・ディルヘヴィアとは相性が悪く、アヴォスはこれと戦うことを避けたいと思っていました。

「アヴォスは式典の間に、精霊王は玉座の間に」という情報をメノウ先生がアノスに伝えましたが。

これは精霊の試練・グニエールの階段(4話参照)でアノスが、”根源を分けて当たりの扉を引いたところがアノスになる*2”という手法を使ったのと同様の魔法をアヴォスも使用していました。つまりアノスが来た方に、自分が現れるようにしたのです。玉座の間に着いたアノスの眼の前に居た精霊王は、アヴォスに姿が変わりました。

しかしアノスたちもそれを見抜いており、レイは予め根源3つ分を分けて式典の間に送っており(根源等分融合>が自らの1つの根源を分けるのに対して、レイは正真正銘自身の7つの根源のうち3つを分けているので、「そこそこ本物だけど」と言っているんですね~)、アヴォスとレイは対峙することになりました。

 

 

 

『憎しみは過去に』……その唇は、とある名前を、口にしたかのように動いたのだった

って原作には書いてあったんですけど、初めて見たときはまさかアノシュ・ポルティコーロのことだとは……

ネオン・アーメルカ*3を名乗っていた女の子は誰? って質問がありましたけど、あそこで初めて出てきているのでわからなくて当然で、単に2000年前の配下がなんか次々と出てきたよ~って描写の1つだと思ってもらえたら良いです。

<闇域>の影響下で魔族の中から洗脳の影響を受けていない2000年前の魔族=味方を探すのは用意ではありませんが、みんなアノシュ・ポルティコーロを合い言葉に連携して拘束魔鎖ギジェルの魔法で縛られていた白服たちを救出していきました。

 

 

 

『誇りと愛の天秤』

こっちがタイトルになると思ってた

シンが「互いの命を懸けて」と言っている通り。よりにもよってシンが、アノスに敵うと思っている筈がありませんので、シンは死を望んでいるものだと、アノスに介錯して欲しいのだと、解釈できます。

シンが取り出した剣は断絶剣デルトロズ、その秘奥が参・<絶>は、自らの根源を消費し、剣に力として込めるという正に命を懸けた技。しかしその一撃は、アノスの腕を切り落とすことはありませんでした。

 

 

 

 

魔王に刃向かい、誇りを失った。手に入れかけた愛も、レノと共に失った。

そんなシンにアノスは、それでも生きよと命じたのでした。

 

 

 

*1:1話神の授業で、魔王城デルゾゲードは破壊神アベルニユーが姿を変えたものだという解説をされています。また2話では、実際に氷の城の擬似的な神の力でミーシャがリンカを氷の結晶に創り変えて撃退しています

*2:実はこれには根源等分融合ジェ・ディシャイシス>という魔法名が存在するが、原作これ以降でこの名前を目にした覚えはない

*3:小説家になろう版ではネイト・アーメルカでしたが、後にネイトが出てくるので変更になったっぽいです

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 9話「二千年後に祈りを込めて」 補足説明・解説

前回解説   

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 8話「魔王のいない魔族の国」 補足説明・解説

 

 

 

「エソア」は「絵空事」と「愛」を組み合わせた言葉だそうです。

今回の話をあえて説明するのも無粋かもしれませんが、一応補足。

 

 

 

なんか、いきなり結婚したわね

神話の時代(2000年前)と魔法の時代(現世)の結婚観の違いです。神話の時代は恋をせずとも、様々な事情を鑑み、結婚することが多かったそうで、サーシャの価値観では、理解できなかったということです。

 

婚姻の儀を必ず執り行えと言ったアノスも、結婚が必ずしもめでたいものではなかったが、戦時中だからと自粛する者が多かった。 とはいえ、いつ終わるやもしれぬ戦いに気を使っていても仕方がない。せめて、祝い事のときぐらいは、派手にしようと思ったのだ。と原作では(心のなかで)言っています。ナイス

 

 

原作でもティティはあんな感じなの?

3話解説で、「アノッス棒で兜、兜」の話をした通り、もっと酷いです

 

 

愛の精霊フランのページ

愛の妖精フランは死者に身体を貸す。
蘇った人々は記憶を忘れているが、真実の愛を持つ者のみがそれを思い出し伝えることができる。

とシンは読み上げていましたが、読んでみたら中身はほとんど寿限無でした。

 

 

まだノウスガリアがやってくる可能性があったのに、なんでシンは転生しに行ったの?

何度も読んだ自分でも疑問に思ったことですし、これに関してはどこにも答えが書いていないのですが。しかしこれに関しては実際、ノウスガリアにほとんど力は残っていませんでした。でも神の言葉は、絶対ですから、以前会ったときに、既に実際に効力を発揮していたのです。そして、<成長クルスト>の魔法(1期1話でアノスが急に成長したやつですね)によって強制的に、ミサは生まれました。

シンも魔王アノスの右腕という誇りを持っていて、レノもそれを理解していたので、あくまでも円満に送り出したいというレノの意向も相まってのことだと思います。この点に関しては、何度も描写されていたので皆さんにも伝わったことでしょう。またレノには、自分が潰えるとき、シンが側に居たら、悲しい涙を流してしまうかもしれない、シンには、笑顔の自分を覚えていてほしいという思いもあってのことでした。

 

 

レノはなんで消えたの?

あえて説明する必要ももう無いかと思いますが、神の子を産んだことで、あまねく精霊だけの母という自らの噂と伝承に逆らったからです。

 

 

 

 

 

こうして神の手によって、魔王アヴォス・ディルヘヴィアという生まれたての伝承とともに、ミサ、もといアヴォス・ディルヘヴィアが誕生したのでした。

シンが手に入れることができたと思った愛は、絵空事の愛でした。

愛無きシンは、それでもレノとの最後の約束を、レノから貰った愛を、ミサを、守る決心をしました。たとえそれで、魔王アノスに、背くことになっても。

 

 

今回の話は、尺の都合で過去編終了まで入れるためなのか、相当、大胆な作り替えがされていました。原作は、基本的に全ての話がアノスの一人称視点で描かれます。しかしアニメではそうはいきません。それでもアニメならではの演出でかなり上手にまとめていると思います。この話に限らず、アニメ化に伴って必要な布石以外が大幅に削られているので(それが少し寂しいところでもありますが)、魔王学院をアニメで初めて見る方にもかなりわかりやすい作りになっていると思います。これでも。

 

 

 

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 8話「魔王のいない魔族の国」 補足説明・解説

前回解説  

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 7話「ただ一振りの剣の如く」 補足説明・解説 

 

 

 

そろそろまた魔王学院に適合してきましたか?魔王学院だけに

TLで拾った疑問とかも解説していけたらと思います。

 

 

 

涙花

涙花は、大精霊レノの涙を吸った花です。大精霊レノの涙は、精霊を生むと言われており(前話解説参照)、涙花はそれを蓄えたものであり(涙を蓄えておくレノ、几帳面だね)、枯れずに実を結めば、噂と伝承を精霊化し、精霊が生まれます。作中でレノも言っていましたが、これはレノに最初からあった力ではなく、あとから噂ができて、それが”あらゆる精霊の母*1”というレノの伝承に矛盾しないのでその通りの力がレノに宿った、というものです。

 

 

剣の秘奥

魔王学院には剣に関する話も多いというのも度々言っていますが。

魔王学院に登場する剣には、それぞれその根源に働きかけることで発揮できる真の力があり、それを”剣の秘奥”と言います。2つ以上秘奥を持っている剣もあります。

どれだけ使い手の魔力が高くても、それだけで使えるものではなく、無の境地に至り、剣と一体になることで初めて剣の秘奥に手が届きます(シンが剣の秘奥を発動しようとしたときに、レイが、シンの魔力が消えたように感じたのはこのこと)。シンは元々魔力が(アノスやレイたちよりは)少ないので、発動しやすいというのもあります(勿論そうは言っても、簡単にたどり着けるものではありません)。

 

シンは根源魔法が得意ではなく、もし転生していたら記憶は残っていなかっただろうというのは1期でレイの正体ががシンにミスリードされていた頃に解説しましたが。

次の生では二度と秘奥には届かないかもとシンも言っていた通り。自らの剣技を誰かに伝え残したかったのかもしれないな(意訳)、と原作ではアノス様は(心のなかで)言っています。

 

にも関わらず、シンは転生しませんでした。謎が深まります。

 

 

シンが見せたのは無刃剣カデナレイオスの秘奥が壱*2、<刹那>。その刃は数瞬前のレイを斬ったので、受けきれませんでした。魔王学院における剣戟では今後も剣の秘奥は度々登場します。

 

 

ところで原作ではシンはレイにああ言われたにも関わらず「”貴方のために”レイを早く片付ける」とまでは言っていません。

 

 

魔族に虐げられていた人間 アゼシオンの第七王位継承者・イガレス

詳しい説明が省略されていますがイガレスは魔族の捕虜だったところを、”配下が手荒に扱っていたので仕方なく”アノスが魔王討伐軍第三部隊に返した、といった経緯がありました。しかしその討伐軍は竜*3に襲われてイガレス以外全滅してしましました。国が分断された今、ディスヘイド(魔族の国)で、彼を助ける者が居るわけもなく、魔王アノスを頼るしかなかったので会いに来ていたという訳です。

 

 

「その憎悪の炎は、今俺を焼いた小さな火よりも、遥かに身を焼いていることだろう」

これは貶しているわけではなく、魔族の同胞の憎しみが大きいということを理解して受け止めている台詞ですからね(これを解説するのはなんだか風情が無い気もしますが……)

止まりはせぬ。言葉などでは。

そんなもので止められるようなら、俺は壁など作りはしなかった。

誰かが力尽くでも止めてやらねばならぬのだ。

 

どこからか浮遊してきた黒い粒子をアノスが掴む描写があります。ここで確信は持てないまでも、理滅剣が発動しているのではないかということに気づいています。

時の秩序からこぼれ落ちるほどの小さな矛盾であれば良い(何度も言いますが、大きな歴史改変は不可能)、彼らの行動は変わらないまでも、心が変わって、泡沫の夢が現実となれば――と、過去の悲しい出来事に願いを込めて、アノスは「2000年後に会おう」とデビトラ達に言います。

 

 

理滅剣ヴェヌズドノア、久々登場!

固有名詞が多い魔王学院ですが、理滅剣の名前くらいはそろそろ覚えてきたのではないでしょうか? 1期1章から登場している公式チートで、今、現世ではアノスを倒すためにアヴォス・ディルヘヴィアがヴェヌズドノアを掌握しようと頑張っているところです。

アノス曰く「時間概念の説明は難しい」らしいのですが、本来、過去には生まれなかった新たな命を、理滅剣の力で生まれたことにすることで、イガレスはこの二千年前から現代に至るまで時間の秩序に対して、特異な存在になり、簡単に言えば、イガレスが変えた過去については、時を司る神も認識できず、そのまま過去改変が成立する、ということだそうです。

じゃあ理滅剣で原因そのものを叩けば良いんじゃないの?と思うのですが。現状、結局何が原因でミサがアヴォス・ディルヘヴィアの噂と伝承を持って生まれ、シンがそれに加担しているのかが特定できていません。

またヴェヌズドノアは魔王の城デルゾゲードの魔力によって発動します(2期3話でテストを理滅剣で不正するために、精霊の国アバルトヘルンまで魔王城を移動させていたのを皆さん覚えているかと思います)。しかしアノスは当時ベノ・イエヴンを作った直後で魔力が残っていませんでした。ですからデルゾゲードに魔力が残っていませんでした(実際、一度イガレスに使ったら魔力が尽きて、消えてしまいました)。

 

ところでヴェヌズドノアといい壁の文字といい、アノスの時間遡行を知っている誰かがアノスに味方しているようですが……?

 

 

壁の文字解読

アノスのファンが書いたんでしょうかねぇ。(なろう版のこの回の作者コメント)

 

こちらは解像度が足らなくて読めなかったので、原文そのままです。

 

 

創造神ミリティア

「この世界を創造した神であり、共に壁を作った」とアノスが言っていましたね。魔王アノスが四界牆壁を作り転生する際にそれに協力した人間、精霊、神がそれぞれ勇者カノン、大精霊レノ、そして創造神ミリティアです。「ミリティアはこの世界を愛していた」「優しく、健気な神だった」とアノスが言っていた通り、この世界を創造した優しい神ですが、すでに創られたこの世界に対して、できることは限られています。たとえば世界を新しく作るということは、今のこの世界を壊すことと同義です。*4ですからミリティアは世界への干渉は最小限にして、見守るという”最善の択”を取っていました。

 

 

原作から省略されている要素(一部)

・ティティたちが「首のない魔族を見た」とアノシュに伝える前。アノシュにアノスのモノマネをせがみ、アノシュが「戦争は俺からキノコグラタンを奪うから、守るために命をかけて戦う」(意訳)といったことを言い、ミーシャが「実話?」と訊ねる

・ミーシャが「助けると思った」と言ったところ。アノスは、自分がイガレスを助けるとは自分では思っておらず、身体が咄嗟に動いたに過ぎないと考えていた。「アノシュは優しい」

・アノスが墓前で感謝を述べる前。ミーシャに笑ってあげてと言われた後。笑いには理解があったつもりだ。よく道化師や旅芸人を魔王城に招いては、宴を開いたりしていたものだ。だが、もしかしたら、それで俺が笑いたいのだと配下たちは思ったのかもしれぬな。とアノスは考える

 

 

 

 

「エソア」は「絵空事」と「愛」を組み合わせた言葉だそうです。

 

 

 

*1:いままで記事に書いてきた通り、原作では”あまねく精霊の母”ですが、多分わかりやすい表現にしたんだと思います

*2:本当に余談なのですが小説家になろう連載当初、秘奥の表記は”一、二、三…”だったのですが、発動時の台詞の基本形が「◯◯剣、秘奥が●――<◯◯>」(●に任意の数字)という感じだった為、横書きの小説家になろうでは「一(いち)と―(ダッシュ)の区別がつかない」といった声が上がり、今の”壱、弐、参…”表記に修正されました。

*3:原作者が知っているドラゴン。アノスはとっくに滅んだと思っていたようですが。詳細は2クール目をお待ち下さい

*4:神の力というのは、この世の秩序そのものであり、奇跡を行使すれば、自らの持つ秩序自体に歪みが生じ、それはこの地に生きる人々へ理不尽という形になって降りかかります。それでも、他の多くの神族たちは構わず力を使いましたが、ミリティアはそうはしませんでした。

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 7話「ただ一振りの剣の如く」 補足説明・解説

みんな話覚えてる? 覚えててもわからないかもしれないけど……

一応これまでの解説記事も載せて置くので良ければ見てね。自分も良い復習になりました

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話

 

 

現世では精霊王の正体であったシンの企てにより、ミサが真体を現しアヴォス・ディルヘヴィアとなった。2000年前に、一体何があったのか……。それを知る為、アノスたちは<時間遡行>の魔法を行使したのだった。

魔王学院2期、過去編に突入!

アノシュ達は、過去の世界の精霊の国アハルトヘルンで大精霊レノと、その護衛である魔王の右腕・シンと合流する。

 

といったところで2クール間が空いたのでした。

 

 

 

大戦の樹木ミゲロノフ

冒頭でいきなり潰えようとしていた、おばあちゃんと呼ばれていた精霊は、大戦の樹木ミゲロノフ。これまでも散々、この作品における精霊の性質を説明してきましたが、精霊は噂と伝承で形作られており、その噂と伝承が途絶えたとき、精霊は潰えてしまします。*1

そして、この話の中で説明がありましたが、精霊が潰える条件がもう1つあって、それは”自らの噂と伝承に背いたとき”です。ミゲロノフの伝承は、”人間に魔族と戦う知恵を授ける”というものでしたが、魔族である魔王アノスや、レノたちは平和な世界を望み、それに加担したので潰えることになりました。*2

 

 

大精霊レノの涙は精霊になる

大精霊レノの涙から、見覚えがある大樹が生み出されました。本人も言っていましたが、レノの涙は、噂と伝承を精霊化します。しかしこのあたりの設定は少しややこしく、説明が必要です。

エニユニエンを生み出すとき、レノは「素敵な噂を見つけんたんだ」*3と言っていました。これだけ見ると、レノは自分が思うように精霊を生み出せるように聞こえるかもしれませんが実際は、レノが生まれてほしいと心から願った精霊じゃないと生まれません。しかしそのレノ自身が精霊ですから、レノの願いは、みんなの噂と伝承からできています。ですから、母なる大精霊として、レノは相応しい子を生みます。原作ではレノは「思ったのと違う精霊が生まれることもあるし、無意識の内に生まれるときもあるよ」と言っています。

また精霊はレノの涙とは関係なく、自然にひょっこり生まれることの方が多いです(原作ではレノは「リィナもきっとそうだよ」とも)すみません本編でも言ってました

 

アノスは「自身の願望さえも、噂と伝承に左右されてしまう、か。なかなか、精霊というのも不自由なものだな」と(心のなかで)評しています。

 

 

かくれんぼに出てきた精霊補足

まあ今更そこまで詳細な説明は不要でしょうが、小さい飛んでる3匹いるのは悪戯好きのティティ、黄色い髪でハンマーを持っているのは(4話で精霊王が力を使っていたときにちょっと出ていた)風と雷の精霊ギガデアス、青髪の女の子は原作勢も1期5話で初めて姿を見た水の精霊リニヨン、シンが最後に捕まえた大きな狼の精霊は、4話の精霊の試練でアノスとリィナの前に出てきた隠狼ジェンヌルですよね。シンもジェンヌルの特性を見抜いて捕まえました。その前に捕まえてる緑の光は実は冒頭ちらっとレノに呼ばれて出てきて森を癒やしていた治癒蛍セネテロです。

 

 

なんでゼシアは急にお姉さんになってるの?

「アノシュ君が小さくなったから、自分の方がお姉さんだと思ってるみたいだぞ」
いつになく感情を主張しているのだ。無碍にはできぬ。

ということだそうです。

 

 

涙花

もしかしたら次の話で補足があるかもしれませんので、次回にまとめて解説する予定です。

 

 

熾死王エールドメード登場→天父神ノウスガリア登場→退場

エールドメードは、狂っていて、アノスも言っていましたが、一度魔王に倒されて以来、異常なまでに魔王に執着しています。エールドメードは完璧すぎるアノスにある意味惚れ込んでいて、アノスを倒しうる存在が生まれて、それとアノスが戦って、アノスが勝ち、アノスがさらなる高みに登るところを見たいという動機で、アノスの強敵たりうる存在が現れることを望んでいます。それが神の子であろうとそうでなかろうと、なんだっていいのです。だからノウスガリアに協力しようがしまいがどちらでも良いというわけですね。あのミーシャにして、気持ち悪いという評価なのだから手の施しようがないかもしれん、と実はアノスも考えています。まあとにかくおかしい人と思ってもらえばOKです。

 

1話でも説明があった通りの理由で、ノウスガリアは魔王を滅ぼす秩序を生み出そうとしており、その母体として大精霊レノを狙っています。エールドメードは、あえてその計画をレノとシンに伝え、自分も協力して、全力で神の子が生まれるのを阻止し、それでもなお生まれてくるようならば、アノスの前に立ちふさがるに相応しい素質を持っているだろうと考えています。

散々解説してきましたが、神は本当に融通がきかなくて、秩序の通りに動きます。だからエールドメードは、レノを滅ぼそうとすればそれを阻止するためにノウスガリアが現れると確信しています(これは、実際間違いないと思います。シンが簡単に阻止したのでそうはなりませんでしたが、本当にレノが危機に瀕すれば出てきたであろうと考えられます)。そしてレノが滅んだならば神の子もその程度のもので、アノスを高みに登らせることはできないだろうということで、全力でレノを攻撃しますがシンに阻止されます。

 

しかし、エールドメードは手負いのノウスガリアに身体を貸していました*4(ノウスガリアは1話で前世でも現世でも良いテンポでボコボコにされていましたよね。この第7話でもチラっとボコボコにされる回想が映っていたと思います)。現世(1話)で、エールドメード先生がノウスガリアに身体を乗っ取られて出てきたのもこういう経緯だったというわけなんですね。エールドメードが滅ぼされかけたことによって、エールドメードの目論見通りノウスガリアは現れます。*5

まあ、あっさりシンに撃退されましたが……

 

 

シン・レグリアの正体

天父神ノウスガリアの口から、シン・レグリアの根源は、神殺しの凶剣シンレグリアだ、シンは決して感情を手に入れることなど無い、心の無い魔剣である、という衝撃の事実が明かされます。神の言葉は絶対ですから、きっとそうなのでしょう。

あっさり退場したノウスガリアですが真の目的は、”神の言葉”を伝えることでした。

 

 

 

 

どうでしょうか。だいぶ思い出してきましたか?

過去編のポイントとしては、以前も書いていますが、下手に大事を起こすと本来の過去が見られなくなってしまい時間遡行の意味が無くなるため、アノスたちは基本的には手出しできないし、大きな過去改変を行おうとしても現世に戻ったときには元に戻ってしまうということを念頭に置いておくと良いと思います。

 

 

 

*1:半霊半魔が陥る”精霊病”は、噂と伝承が消えかけることで存在自体が消えかける現象でしたね(これは、半霊半魔は自分を形作る噂や伝承を自分で知らないから起こること)。

*2:原作ではちゃんと一人一人に助言をしてくれた後に消えます。アノスに「助言できることは何も無い」と言うところは同じ

*3:本編ではだいぶ柔らかな表現であったが実際の原作の台詞は「素敵な噂を見つけたんだよ。色んな人が、色んなお勉強をするための平和な時代の学舎。少し頑固で、絵心のないお爺ちゃんが先生で、沢山のことを教えてくれる」です。現世ではこちらの性格に近かったですよね。

*4:実はアノスは、普通の熾死王では略奪剣に腕を斬られた呪いが効いた状態で<熾死の砂時計>は使えないだろうという違和感は感じ取っていた

*5:大博打と言っていましたが、ノウスガリアが現れなければ、エールドメードは滅んでいたわけですから、魔王が高みに登るためなら滅んでも良いと考えているわけです。まあそのくらいコイツはおかしいし狂っているということです。

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 6話「母なる大精霊と魔王の右腕」 補足説明・解説

めっちゃいいところなのに突然続きが来期送りになって辛い

 

 

 

 

アノスたちは、アヴォス・ディルヘヴィアに気づかれないように、アヴォスの伝承にない今の時代でアノスが増設した地下街からデルゾゲードに潜入しました。

 

 

メノウ先生とリーベストくんって誰?

幻影擬態ライネル>の魔法を使い透明化し、魔王城に潜入したアノス達。しかしもちろん、メルヘイスはアノスが増設した地下の存在を知っているので(構造までは伝えられていなかったらしいが)、アヴォスが兵を差し向けてきます。

その中に居たのは、不適合者の印を付けた3年生のリーベストくんとその担任のメノウ先生でした(1期で勇者学院と、魔王学院の3年生のクラスが戦ったものの、勇者学院側の不正によって負けて、気に食わないけど不適合者のアノスに託す、という話があったのを皆さんも覚えておられるかと思います)。アノスは不適合者の印は合図かもしれないが、その一方で罠かもしれないと疑いました。でも、(皆さんもいい加減分かっていると思いますが)ミーシャは魔眼が良いので、そういった意図がないことを見抜きます。

アノスがリーベストくんにかけたのは、<魔呪壊死滅デグズゼグド>という呪い。その上で漆黒の太陽で”見た目は”派手に焼きました。

 

 

時間遡航レヴァロン

時間操作レバイド>を応用した魔法、<時間遡航>ですが、普通に時間を遡ることができるなら、最初からアノスは苦労しなかったのですが、<時間操作レバイド>では、その対象を起源として、局所的に、かつ100年程度しか時間を遡ることはできません。霊神人剣の力を使い、10000人のゼシアたちに力を借りて、時の番神を倒したときに手に入れた大鎌(1期参照)の力を使ってもなお、2000年「飛べるかもしれぬ」「何分、初めての試みだ。うっかり違う時代に落ちたなら、時が元に戻るまで待つことだ」と原作でアノスは言っています。

作中でも言っていたとおり、今ある過去と現在に”大きな矛盾”が生じれば、過去改変は成立しません。たとえばアヴォス・ディルヘヴィアの噂は大きすぎるので、そもそも生まれなかったことにすることはできない、ということになります。

また、あくまでも過去に何があったかを見るのが目的ですので、過去が大きく変わるようなことをすると、本来何が合ったかを見ることができないので、時間遡行した意味がなくなります。

 

 

なんで大精霊に護衛が要るの?

四界牆壁ベノ・イエヴン>を作るのに大量の魔力を消費したばかりだからです。

その後シンがアハルトヘルンに入るときに、何かを斬っているように見えますが、ベノ・イエヴンです。造作もなくやっているように見えますが、これを超えるのには相当な魔力が必要だそうです。もちろん、(描写は省略されているけど)アノスたちも同様でした。

 

 

なんでアゼシオン(人間の街)でアヴォス・ディルヘヴィアの仮面をしてて平気なの?

まだレイが偽りの魔王を作り出す企みをする前だからです。

 

 

「なかなかどうして、道中に仲良くなったようだな」

「なにが?」 サーシャが隣で意味がわからないといった表情を浮かべている。

「答えが変わらぬというに、同じ言葉を二度口にするなど、滅多にあることではない。それが三度だぞ。一度説明すれば、次からは無言を貫くのがあの男だ」

「なにが?」 サーシャがやはり意味がわからないといった表情を浮かべたままだ。

 

 

噂と伝承がある限り、精霊は滅びないのでは?

アハルトヘルンを襲っていた「神獣グエン」は、噂と伝承ごと精霊を喰らう神の使いであり、魔法すらも食べます。だから精霊たちは危機に陥っていました。

 

 

なんでシンはレノに「アノシュ・ポルティコーロを知っている」と答えたの?

シンは忠実な魔王の右腕です。アノスはこう説明しています。

”彼に正体を悟られぬようにするのは、そう難しい話ではない。一瞬、シンは、アノシュが魔王アノスではないかと思ったのかもしれぬ。だが、アノシュ・ポルティコーロと名乗った以上、この男はそれ以上の追及はしない。俺が魔王アノスならば、それは俺に気がつくなという命令だ。そして、俺が魔王アノスでないならば、そもそも気にかける必要はない。いずれにしても、彼は俺をアノシュ・ポルティコーロとして扱うというわけだ。どんなに魔王アノスの可能性があろうとも、頑なにそれを守るだろう。”

 

 

なぜシンはレイに条件付きで一意剣を貸したの?

表情からはわかりにくいですが、自分に迫るほどの腕を持った魔族を見つけて、嬉しかったからです。まあ要は、戦う口実です。

 

 

 

ついに始まった過去編! 次第に謎が明かされていきます。

といったところですが、1クールお待ち下さい