アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 11話「その宿命を断ちきるために」 補足説明・解説

前回解説↓

アニメ 魔王学院の不適合者Ⅱ 10話「憎しみは過去に」 補足説明・解説

 

 

 

どうしてもアニメでは表現できる範囲に限界があるのですが、説明がつくことのほうが多いはずです。

やらなければならないことは、大きく2つあって、

・1つは、この世の秩序を滅ぼさずに、ノウスガリアを滅ぼすこと

・1つは、ミサを滅ぼさずに、アヴォス・ディルヘヴィアを滅ぼすこと

です。

 

 

 

彼女の想いとともに……レイvsアヴォス・ディルヘヴィア

魔法がたくさん出てくるのですが……

まずアヴォスが使った闇の手のような魔法は根源死殺ベブズドという、根源に干渉するためのもので、これは1期の勇者学院編で出てきていますよね。魔王学院における戦闘では、基本的に命ではなく根源を奪い合う必要があるので、今後も割と頻出の魔法です。

それから魔呪壊死滅デグズゼグドですが、これはこの前(?*1)アノスがリーベストくんに使った(6話参照)もので、蛇の痣が体を食らわんとする魔法です。

その次の愛魔法聖愛剣爆裂テオ・トレアロスは、レイが最初に精霊王と対面したときに初めて使った魔法(4話参照)で、まあ簡単に言えば愛を力にする剣技です。

でノウスガリアがアヴォス・ディルヘヴィアに加担しているのは、アヴォス・ディルヘヴィアが魔王を滅ぼす神の子だからです。

レイの根源が最初から減っているのは、半分分けてノウスガリアの居た式典の間に送ったからです(前回解説参照)。

 

 

 

蘇りし愛……シンvs天父神ノウスガリ

まずノウスガリアが神の性質について語っています。神を滅ぼすには、まず破壊神の力が必要であると言っています。1話の神の授業でも説明があった通り、魔王城デルゾゲードは、破壊神アベルニユーが姿を変えたものですから、神を滅ぼすにはその力、即ち理滅剣が必要だと言っているんですね。そしてその理滅剣も、今アヴォス・ディルヘヴィアが所有権の大半を書き換えているところですから、この状況じゃ私は滅ぼせないよと、そう言っているんですね。

最初にシンが取り出した魔剣は、斬神剣グネオドロス。1話の回想部分で、ノウスガリアを斬っていた剣と同じです。これでシンはノウスガリアを貫きますが、神の言葉は、絶対なので、白銀の炎がシンを焼きます。これは、”罪を悔い改めるための慈愛の火であり、一秒ごとに苦痛は増し、一分をもってその断罪を終える”そうです(原作のアノス曰く、「呪いの完了まで一分かかるのを断罪とは、なかなかどうして、うまい言い訳を用意したものだ」)。

シンの懐から落ちたのは、かつてレノがお守りとしてくれた本の妖精リーランの愛の妖精フランのページ(ややこしい)。リィナ(=愛の妖精フラン)は、「報われなかった愛を形にし、結び助ける精霊」でしたね(3話参照)。フランは、愛を伝えるためのほんの僅かな間だけ、死者に身体を貸してくれます。その力で大精霊レノと、大戦の樹木ミゲロノフに、刹那の時間、仮初の命を与えてくれました。

ティティ、リニヨン、ギガデアス、ジェンヌルらの説明はもういいですかね。一応、かくれんぼ(7話参照)などで登場しています。

 

 

 

斬り裂かれた言葉

大戦の樹木ミゲロノフは、その噂と伝承通り、最後に大精霊レノに戦いを生き抜く知恵を与えてくれました。それがレノが使っていた精霊達ノ軍勢アルハ・アルフレという魔法。精霊たちの力を、シンの元に集めます。それが助けになって、最終的には斬神剣の秘奥が参・無間むげんによってノウスガリアの根源は無限にバラバラになった挙句、宝剣エイルアロウ4話で、シンがレイを宝石に封じ込めたときに使った剣)で水晶に封印されました。*2

なんでこういった手段を取るかというと、神は秩序なので天父神といえど滅ぼすと世界が歪むからです。アノスが世界の破壊を止めるべく破壊神アベルニユーを堕とした時も、根源を滅ぼすのではなく魔王城デルゾゲードに形を変えていますよね。

 

 今も昔も――

 放たれた神の言葉を、確かにシンは斬り裂いていた。

 

 

 

その宿命を断ちきるために

レイの勇者の剣・霊神人剣エヴァンスマナは精霊・神・人間がそれぞれ関わってできた魔王を滅ぼす剣ですので、天父神が出てきて神の言葉によりその本来の効力を失っています。しかし、

”その過去は消えてしまったけれど――”

レイは、過去のシンから教わった”剣の秘奥”をここで発動します。剣の秘奥は、無の境地に至り、剣と一体になることで初めて発動することができます(8話参照)。レイは根源も魔力量も多く、魔力を無にすることが難しかったので、敢えて根源を滅ぼし、1つにして秘奥を発動しやすくするのが狙いでした。

霊神人剣の秘奥が壱・天牙破断てんがはだんによって、レイはミサを取り返すことに成功します。「噂と伝承通り、魔王は滅びる。君の負けだ、アヴォス・ディルヘヴィア」

ミサ、アヴォスの身体にはノイズが入るような演出になっていましたが。それぞれ半分の根源になっており、最早長くは持たない……

はずでしたが、アヴォスは土壇場で理滅剣ヴェヌズドノアを掌握します*3。これによってアヴォス・ディルヘヴィアが滅ぶという理も滅ぼされ、彼女の手にヴェヌズドノアがある限りは、彼女は滅びることはなくなりました*4

 

 

 

 

 

贋物の魔王構文しかなかったから物足りないって?

贋物の魔王構文が出たからと言って、本物が出るとお思いでしたの?

いいから黙って次回を待て!

 

 

 

*1:6話がだいぶ昔に感じる……

*2:神の言葉は絶対……でもなかったみたいですね……。(この回の作者コメント)

*3:これに時間がかかったのは、理滅剣ヴェヌズドノアを見たもの(=使われたもの)は、全て滅びたため、魔王の噂と伝承に無かったからです(というのも以前説明しましたが、一応)

*4:原作では「半分だけの根源になったとて、この身が滅ぶとお思いですの?」とまで言っている